お墓のかたち
お墓には、地域・宗教などにより様々なかたちがあり、その多くは基本的なかたちを踏襲しています。ここでは、その基本的なかたちと構造を紹介します。
お墓の基本的な構成
お墓は墓石・カロート・外柵・他付帯施設から構成されています。また、静岡県の霊園では 丘カロートといって カロート(納骨室)部分を地上にあげた構造が一般的です。
① | 棹石 | 故人や先祖を供養するためのものです |
② | カロート | 納骨するための施設です |
③ | 外柵 | 境界を示すことによりお墓の敷地を表します |
④ | 花立 | 花をいけるための場所です 水鉢の左右に据付ます |
⑤ | 水鉢 | 清浄な水を満たす為の場所です |
⑥ | 香炉 | 線香を置く為の場所です |
⑦ | 塔婆立 | 塔婆を立てる為の場所です |
⑧ | 拝石 | 拝むところとなる石です |
⑨ | 墓誌 | 埋葬者の戒名などを刻む場所です |
お墓のかたちについて
墓石は和型と呼ばれるタイプと洋型と呼ばれるタイプの大きく2つに分けられます。
和型
仏教のお墓のことを和型といいます。その原形はストゥーパと呼ばれる お釈迦様のお墓にあると言われています。和型の中にはいろいろな形 をしたお墓がありますが、その中でよく使われる三段墓と五輪塔を 紹 介します。
三段墓
もっとも一般的な形です。竿石・上台石・下台石・芝台石 からなり ます。江戸時代に庶民がお墓を建てるようになったころ普及しました。
◆墓石に刻む文字
一般的で最も多く見られるのは「○○家之墓」「○○家先祖代々之墓」です。 また、壇信徒であれば 「南無阿弥陀佛」「南無釈迦牟尼佛」といった名号や「南無妙法蓮華経」といった題目を刻んだりします。
五輪塔
五輪とは「地・水・火・風・空」のこの世を構成している 五大要素を表します。現在では先祖供養の象徴として建てられます。
◆墓石に刻む文字
五輪塔では各宗旨それぞれの文字を刻みます。
天台宗 真言宗 梵字を刻みます
浄土宗 南無・阿・弥・陀・佛
臨済宗 曹洞宗 空・風・火・水・地
日蓮宗 妙・法・蓮・華・経
浄土真宗 五輪塔は建てません
洋型
和型と違い、宗教色のないお墓です。別名を横型ともいい、その形が横に長いのが特徴です。洋型では和型ではあまり使われない赤や ピンクといった鮮やかな色もよく使われます。
◆墓石に刻む文字
洋型のような宗教色のないお墓の場合、自由に文字を刻む例が多いようです。故人の好きだった言葉や、心・やすらぎ・憩・和のような抽象的な言葉が刻まれます。